カテゴリ:ひまとゆとり( 5 )

インド料理は合法ドラッグ

引っ越し完了後、すぐにお気に入りの店ができた。
インド、ネパール料理の店だ。全てのメニューを食い切るのにどんだけかかるか分からない。

この店、いつもはダンナと二人で来るが、今日は一人だ。一人インド料理決行なのだ。
店はだだっ広いが、いつも人がまばら、大学生の集団がひと組いるだけだ。
それもそのはず、まだ5時半なのだ。なんで5時半に飯かっつーと、現職は有給の消化に入っているからだ。
いや、そうじゃなくて、1時間10分程ジョギングをして、明日朝のパンを仕込んで腹が減っているのだ。

カレーを食うぞ!と覚悟してきたのに、ネパールの鳥の和えもの定食を頼んでしまった。
和えものは冷たいが、スパイシー。そしてスープはちゃんとカレー味だった。中に豆がたくさん入っているが、ひよこやダールではなく、ささげや小豆が入っていた。現地調達可能かつ安い食材だ。でもうまいぞ。
サフランライスはちゃんとサフランが使われていて、薬臭い匂いがしている。コメはジャポニカ種だが、ぱさぱさに炊いてある。インド料理のコメはふっくらつやつやはダメだ。ぱさぱさの安いコメでないといかんのだ。

で、この料理たち、スープ、メイン、ピクルスに至るまですべからく辛い。一品くらいなら耐えられてもコメとサラダ以外全部容赦ない辛さというわけで、食いに来れる人間が否応なしに絞り込まれてしまうのだ。
私うはうは。食事の後半には頭がぼーっとしてきてあークスリ効いてるな~っちゅう感覚になる。仕上げはチャイで、砂糖を入れて飲み干すのだ。

女ひとりがここに来るのがめずらしいのか、ガラス張りの厨房や、給仕をしている人が、ちらちらこちらを見ている。いや、好きなんす、ここは容赦ないインド(ネパール)料理屋なんで。ふられてやけ食いしてるんじゃないんすよ。

会計を済まして後ろを振り返ると、厨房の人たちもお辞儀をしてた。
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by yahji_sali83 | 2011-03-25 19:35 | ひまとゆとり

地震、南関東の一個人の場合

地震発生後すぐに停電した。
電車の復旧の見込みはなく、会社にビバーク決定。

私のケイタイはソフバンだが、案の定つながらない。メールも届いてるんだか届いてないんだか分からない。
北海道の義両親からが最初の着信。その後、ダンナから着信、母からメール。
後は通話制限のせいか、次に停電が回復する午前2時頃まで圏外表示のまま。

夜の9時半までは会社の予備電源が作動、トイレも行ける、水も飲める。ジャンクフードを買い込み、非常食を食べ、椅子を並べてねっ転がる。
正社員たちはなぜか帰宅命令。途中まで車を持っている人に便乗させてもらってそのあとは歩くらしい。
あぶねぇ。

災害ダイヤルだのウェブサイトだの、サーバーがダウンしてみようにも見られない。かろうじてワンセグ入りのケイタイの人のニュースをチェックするのみ。使えねー。

ダンナは25kmを歩いて帰宅。5時間以上かかったらしい。私は40kmなので会社にいた方が安全だった。

次の日、夕方に父から着信。お台場の職場から茨城に帰れないらしい。急きょコンビニでどうでもいい下着や靴下を買って父を迎え、引っ越し準備でとっ散らかった家に招いた。
父は翌日曜日の朝7時前に帰って行った。それが電車で帰れるラストチャンスだったらしい。その後も電車は動いたり止まったり。

弟は車で宇都宮にいたらしいが、コンビニで缶コーヒーを飲んでいるときに震度6の地震にあった。壁ががらがらをくずれ、棚がひっくりかえったらしい。渋滞と交通規制を考え、すぐに3ケタ国道を伝って帰宅。その途中で父と私のダンナを拾うため、何度も電話をかけたらしいが、かからず、また、着信履歴にも残っていなかった。

父は帰ったがいいが、陸の孤島状態。ガソリンもどこにも売っていなかった。弟はガソリンを20リットルもって、今度は出張先の名古屋からわざわざ届けたらしい。はとこ家族が父の家の近くに来ていたので、彼らとわけたらしい。そのままはとこと子供はダンナをおいて関西に帰って行ったらしい。

別の茨城にすむ友人に連絡すると、陸の孤島度がパワーアップ。荷物を送ろうにも集荷は受け付けない地域になっており、液状化、地割れがすごく身動きがとれないようだ。ガソリンもやはり手に入らない。

報道では沿岸部の津波ばかりがテレビにうつるが、内陸だって相当のダメージを受けている。
義援金を少し寄付した。またちょこちょこ送ろうと思う。

会社は、無理をしない範囲で通い、定時を守らなくていいということになっている。
今朝は駅の前に数百メートルの行列ができていたが、明日はどうなんだろう。
会社にちょこっとだけおいてある荷物だけはとりには行きたいと思う。

みんな頑張れ、あきらめんな!
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by yahji_sali83 | 2011-03-15 19:49 | ひまとゆとり

同窓会センチメント

小学校のクラス会、海外に転勤する友達の壮行会を兼ねてだが、いつもこの手の集まりには結構な人数が集まる。
「プレゼントでーす。」
「あー、これ、うちのだんなさんの友達の会社の!」
といわれちゃったり
「俺、12歳の娘のムネをペローンと触るんだよ!」
「ヘンタイ、12歳は女の子じゃなくて、オンナなの!」
と説教される年商数十億円の社長とか
「こないだはどうも。」
「あ、うちの子の面倒も見てよ。」
とお願いされちゃう院長先生に
「日本のライセンスはまだなんだよ、そろそろ取れると思うんだけど。」
「んじゃー、クラス会はあんたの操縦する飛行機で世界中の同窓生に会いに行くってことで。」
そんな愉快な仲間が集う楽しい会です、実話です。

私は飲むと発作を起こすので、しらふで参加しているが、酔っ払って小学生の頃の恋愛感情が擬似的に戻っちゃった男性が、いつまでも「○○ちゃんと生まれ変わったら結婚するー」なんてほざいてたりする黄昏流星群モドキカップルができあがったり、「マトモな男紹介してよ」と婚活をさりげなくやってる女性がいたりと、やってることはそこらの同窓会と変わらん。

友達は、それぞれ現在の居住地が遠い人もいて、そんな人たちは会場まででてきてから、実家に子供達を預けて飲みに来ていたりする。とばっちりを食らうのは私のような中途半端に遠いところに住んでる奴で、うっかり終電を逃した。中央線の上りの最終が12時2分ってどーゆーことだよ?12時半頃までやってなかったっけ?
と、小学校のとき一番中の良かった女性が
「うちくるー?キタナイけどー。」
いやーそんなつもりはなかったんだけど、タクシーで数千円程度で帰れる距離。ちなみに家族ぐるみでお付き合いをしているので、彼女の息子とだんなさんは良く知った仲だ。
冒頭の院長にシェアしたタクシー代の6割程度を払ってもらい(そんなつもりなかったのだが)、彼女のうちへお邪魔した。
パジャマを借りて、布団に入ると昔のことを思い出した。彼女の田舎に連れて行ってもらい、あゆの塩焼きを食べたこととか、スイカの収穫をしたこと、泊まった山小屋が寒すぎてみんなで羊みたいに固まって寝たことなど。そんなことをぽつりぽつり話しているうちに眠ってしまった。

翌朝起きると、だんなさんがすでに洗濯物を干しており、「すんませーん」といいながら出ていこうとすると、
「化粧してきなよ。」
と彼女が薦めた。
「え?あたし、化粧道具持ってきてないよ。化粧はね、ただの武装。普段は会社に行くときくらいしかしないよ。」
「そうなの?化粧しだしたら、どんどん濃くなってしまいにはコンビニ行くのにもするようになっちゃったよ。」
「本人が思っているほどすっぴんと化粧した顔って激変してないって。」
いや、本当に化粧落としていても彼女は彼女だし、おまけにきれいだ。
朝8時ごろ、わざわざ駅まで送ってくれた。

あと1週間ちょっとで私も都心に引っ越すから、そうするとタクシーで余裕で帰れるようになるのだ!
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by yahji_sali83 | 2011-03-09 21:52 | ひまとゆとり

名医はいずこに

階段の前で待っていると、先生と共に、いつものじいさんがやってくる。
だらしない白髪に汚らしいジャージ、通勤電車でこんなのが隣に乗ってきたら、即移動を決め込むだろう。
じいさんは、ゆっくりと重たい扉を開け、ほほ笑むと、私にどうぞとジェスチャーする。
できるだけ礼儀正しくありがとうございますといい、中に入る。
じいさんは数分かけて靴を脱ぐ。
先に入った私は
「まだ治らないんだ、もう年なんだね。これ乗り越えたらまた元気になるんだよー。」
という言葉に、
「えー、じゃあ次は更年期まで元気ってこと?」
なんて軽口を叩く。
腰をまげて、体の曲がり具合を見てもらうと
「C型の湾曲がまたでてるねー、前は一回矯正したら2ヶ月くらい大丈夫だったじゃない。」
と言われ、
「ぎっくり腰やってから首とかいろんなとこも悪くなっちゃって。」
と答える自分がばあさんみたいに思えた。

先ほどのじいさんは、やや遅れて隣のベッドに寝転ぶ。ほとんどしゃべるところは見たことないが、
毎週日曜日きっちりにやってくるところを見るに、ここが好きなようだ。
じいさんはとっても太っているし、体がすごく硬いので、あんまり激しい整体をされないが、
私はボキバキと容赦なくあちこちひっぱったりひねったりされる。
電気をじりじり当てられている間、先生たち二人が
「そういえば○○君、大丈夫かなぁ、お母さんが息切れがすごいって言ってたけど。」
などと話しながら、件の○○君に電話をかける。
「うん、うん、そうなんだ。大変だなぁ、どこの病院?すぐに落ち着くといいなぁ。」
なんて返事してる。先生も70代と、お世辞にも若いとは言えないので、電話の向こうの声が
まる聞こえになるくらいボリュームを上げている。

いろんなひとが、この整体院にやってくる。みんな大体薄汚くて、うだつがあがらないタイプ。
鍼灸師の女性の先生に、悩みを話したり、先生にどこそこが良くならなくて、とか仕事が忙しすぎて
なんて話をして、治療を受けて帰って行く。

患者同士で会話をすることはめったにないが、あまりにも面白い話をしていると、先生を介して
会話に加わるといったこともある。ただでさえ女性の患者が少ない上に、私は平均の半分くらい
の年齢だから、みんな
「なんでこのガキんちょ、ここに来てるんだろ?」
ってな顔で最初は警戒する。
清潔でいいにおいがするっていう診療所じゃないし、先生も孫がいるような年齢なので、30、40代
の女性が来るわけないと思うのだろう。

先生二人は、もちろん腕のいい整体師だから私は通っているわけなのだが、長くなるとだんだん
自分のちょっとした悩みとか、地域のこととか、昔の知恵とか、他愛のない話をするようになる。
先生から帰ってくる返答は、特別なものじゃないんだけど、とても落ち着き、安心できる。
近所のおばちゃんとおじちゃんの家に遊びに来て、好き勝手なことしゃべっている、あの懐かしい
感覚だ。

今日は、運動しているくせに、大臀筋が弱ってるからと言われ、尻から腰にかけてバッテンに
太いテーピングを貼られた。
さすがに女性の先生がやってくれるが、この年で尻丸出しって子供みたいだなぁ。

となりのじいさんは、気持ち良さそうにいびきをかいていた。
心穏やかに長生きしてほしいと思った。
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by yahji_sali83 | 2011-02-06 21:20 | ひまとゆとり

高級街よ、美術館よ

久しぶりに美術館に行った。
表参道の通りの先にある。子供のころに来ているはずだが、覚えていない。

美術品は食器とか仏像(どうぞう!)とか掛け軸とかそんなの。
食器はどう見てもいくつかは100円ショップの皿とすり変わっているとしか思えない。
青銅器は、あまりにもさびついていて
「おれ、こんな食器で水飲みたくないわ。」
「いやいや、昔はさびてなかったんだよ。それにこれは祭事に使ったんじゃない?実用性ゼロだし。」
貧相な知識を露呈しただけだった。

面白いのは庭園だ。東京都心に残る、庭園は似たような作りが多い。
すり鉢状の箱庭に、アリの巣みたいな道が作られていて、ミニチュアの橋とか
小人用の茶室「○○庵」みたいなのがぽつぽつあり、埋めてしまった井戸もちらほら。
小人用っつっても、おもちゃではない。遡ること江戸時代、日本人は栄養不良のおかげで
とてもコンパクト設計。男でも平均身長が150㎝代だったという。
私でも、屋根のひさしに頭をぶつけそうで、土台は布基礎。石の上にまんま家が
ぼこーんと乗っていて、ドリフだったら「ててこてってこてて、てけてけてけてけ・・・」
の音楽とともに、入れ替わってしまいそう。
その中に、一つだけでかい茶室があって、クーラーが設置されているので、今でも
現役なんだな―って分かるわけだ。

ちなみに、1600年代は、南ヨーロッパ人も非常に小さく、男性の平均身長は
160㎝だったんだってさ。

庭はとても整備されているんだけど、一部に鎌倉時代の仏さんの石像なんかが並んでいたりして、
傷まないのかなぁ?とか思った。
場所が場所だけに、外国人の客が非常に多かった。特に白人。
あとは、美術関係の人たちと、デート中のカップルか。
熱心に漢詩を写し取ったりしてたが、私には何が書いてあるのか想像がついたものはひとつもなかった。

トイレの前の椅子で休んでいたら、はしごをもった用務員のおじさんが、
「すみませーん」
とやや大きな声を出しながら、女子トイレにおそるおそる入って行った。
しばらくしてでてくると
「あのー、ここ、電球切れてるって聞いたんですけど、どれですかね?」
・・・あの、私、一般人なんですけど。と思いつつ
「えーっと、見てみましょう!」
と、一緒に女子トイレに潜入、いや入って行った。
「んーっと、こっちの列は、全部消えてるから、元々ついていないみたいですね。
あ、この奥、電球外してあるみたいだけど、これじゃないですかね?」
何の推理だよ?
「あー、そうですかね。でも一旦確認に戻りますよ、どうもありがとう!」

私は、おじさんが女子トイレに入ることを正当化するのに、役にたった。
はしご持って作業着着てりゃ、誰も疑いはしないのだが、気まずいのだろう。
そういうときに、「点検中」という札が役にたつのだろうと思った。

帰りは、これでもかってくらいアーティスティックなブランドショップを外から眺めながら
表参道の通りを歩いた。
「川崎の駅の下とかで2000円くらいで売ってるバッグって、あれパクってるよね?」
とか言いつつ。
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by yahji_sali83 | 2011-01-30 20:20 | ひまとゆとり