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なにいろのラベル

夏になるとバイクに乗る時間が増えるので、ピアノの練習が減ってくる。そんななかでも2年間も住んでいると、自分の生活リズムが出来てくるので、1時間だけバッハを弾きまくるとか今日はショパンばっかりとかそういうことをするようになってきた。ちょっと前までの私は、何が何でもこれはやっとかなきゃといった強迫観念がいっぱいだったけど、別にどんな曲でも練習してれば、指使いなんかは他の曲に応用が利くし、これ以上下手糞になるっつーこともないわけだ。

最近はラヴェルがお気に入り。こういった近代ものの楽曲は、ほとんど経験がなく、先生に教わったこともあまりないもんだから、和声がかなりなじみがない。とはいえ、最近のジャズやゲームミュージックでおなじみの不協和音ぎりぎりのコード進行が多いので、じつは聞き覚えはかなりあるのだけれど。

ラヴェルといえば、フランソワのピアノが一番好きだ(連弾はもちろんバルビゼと)。彼のもつ自由な雰囲気が、古い楽曲を現代風にアレンジしたようなラヴェルにぴったりだ。近代フランスものは、なんだかとっつきにくく、はっきりいってこういう音楽になじみのない人にはただただ不快で、比較的聞きなれている私のような素人にも、夜のガスパールとかはカンベンしてくれーと言いたくなる。だけどフランソワにかかると、音色がさまざまに変化して、ぐーっと引き込まれてしまうんだなぁ。彼の弾くショパンはちょっとやりすぎって感じがして、多分コンサート栄えするんだろうけど、CDで聞くと、もうちょっと楽譜どおりに弾いたほうが聞いてるほうは気持ちがいいかなと思う。やりすぎっていうのは、決しておおげさに弾きすぎとかっていうんじゃなくて、彼の思ったとおりにアレンジしすぎじゃーというだけ。えーっと本当は小さな音で弾けって楽譜に書いてあるのに、大きな音で弾いているとか、そういうの普通なのね。ラヴェルでやられても違和感がないんだけれど。

このラヴェル、かなり小うるさく指示が書いてあって、実はこれを守っていれば、割とまともに演奏しやすいんじゃないかという印象を受ける。実際、ラヴェルってものすごくカチカチに曲の構成が型にはめられていて、曲名から想像できるように、メヌエットだのソナチネだの古風な形式をとりいれたピアノ曲が沢山ある。最初、練習したいなぁと思ったのは、「鏡」の中の「蛾」って曲で、なんで蝶じゃなくて蛾なのって感じなんだけど、ポップに毒々しい色の蛾が飛び回るようなこの曲は単純に面白いなぁと思った。けど、和声が追えないし、テンポや拍子がよくわからん。というわけで、あっさりと諦めて、ラヴェル慣れするために、泣き王女のためのパヴァーヌをとりあえず練習してみた。これは後に編曲されたオーケストラバージョンの方が好きなんだけど、シンプルな彼の初期の作品として、最初に練習するにはとっても良い曲だった。

練習の仕方なんだけど、古典系のモーツァルトやベートーベンなんかだと、片手ずつ指が回るまでとにかく練習するんだけど、近代ものになってしまうと、片手ずつ練習してると、曲がどんなんだかわかんなくなっちゃう。だから、出来る限りゆっくりでもいいから最初から両手であわせることが多いかな。どうしても弾けないところは片手で練習するけど。というわけで、だんだん慣れてきたので、次はソナチネを練習しているところだ。このせまい音域を使い、右手と左手が邪魔をしあって演奏を困難にしている危なさのナゾを紐解いていくような感覚が面白い。

でも、なにゆえラヴェルってどの曲もなんとなく黒魔術っぽいんすかね。本人もオカルト信仰があったらしく、今日は何とかが降臨してるから曲が良く書けるとか言っていたらしいんだけど。

こうして新しい曲をぽんぽん練習してしまうので、暗譜が出来ず、いつまでも同じところでつっかえてる私がいる。どっちかっつーと初見が得意で、指先を見ないで演奏する人間が陥るワナっすね。さて、バッハでも練習するかぁ。
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by yahji_sali83 | 2008-06-30 15:38 | 過去(北欧時代)
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